シカゴ市長が暗号資産などについて言及
米シカゴ市長であるRahm Emanuel氏が、今月18日にシカゴで行われたフィンテック会議にて、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術について、「暗号資産の将来的な採用事例や需要は絶対来る」との考えを示したことをForbesが報じました。
以下は、同市長の発言です。
国民国家はバラバラになったり、後退をしている。それと同時に都市国家が台頭するなど、旧来の政治構造が変化してきている。
そうした中で、その国家がアルゼンチンかどうかは分からないが、また、5年後か10年後になるかは分からないが、もし金融危機が訪れれば、その危機に耐えしのぐために、(金融危機が訪れた国家の国民は)いつか暗号資産の利用方法を学ばなければならない日が来るだろう。
このようにビットコインのなどの暗号資産は、金融危機などが訪れた際の避難通貨としての利用に一定の需要が生まれるとみているようです。
また、暗号資産やブロックチェーン技術の今後について「このトレンドは将来的に絶対で、民衆はもう少し深く学ぶ必要がある」と述べました。
同市長は、自身が暗号資産の専門家ではないとしつつ、現状の世界経済の状況からこれら技術の将来性にはかなり自信があるようです。
経済危機のベネズエラ 暗号資産で食品購入
同市長の発言のとおり、年率200万%を超えるインフレが続く南米のベネズエラで、暗号資産による食料品購入の動きが出ています。
ベネズエラでは、独裁を続ける反米のマドゥーロ大統領と、アメリカの支援を受けるグアイド国会議長の対立により、深刻な経済危機に陥っており、食料品や医薬品不足で物価が高騰、先月のインフレ率は年率229万%に達しています。また、大手クレジットカードの使用制限もかかり、決済は米ドルを中心に行われています。
こうした状況を受け、現地では暗号資産で食料品などを購入する動きが出ており、レストランやスーパーなど2500か所以上で暗号資産が利用可能となっています。これは、今年中に3倍の7500店舗まで増える見通しで、利用者は1万人に上るということです。
給与の支払いを暗号資産で行う企業も増えており、暗号資産で食料品を購入していた男性は「ベネズエラは経済破綻しているし、たくさんのお金を持ち歩くのもいやなので資産を守るために暗号資産を使っています。これからもどんどん普及していくと思います」と話しました。
このように、経済危機に対処するための避難通貨として暗号資産を利用するとの考えは広がりを見せているようです。