5月21日の国会で、衆議院は暗号資産(仮想通貨)関連の資金決済および金融商品取引法の改正法案について、賛成多数をもって可決しました。
これは、暗号資産(仮想通貨)に関するルールをさらに整備するための法案です。
順調に進めば、2020年6月までに施行の見通しとされていて、施行されると暗号資産に関するルールが大きく変わることになります。
目次
変更点1:「仮想通貨」→「暗号資産」へ呼称変更
みなさんが既にご存知のとおり、「仮想通貨」と呼ばれてきたものを、「暗号資産」に呼称を変えるとの内容が含まれています。
これはG20サミットで「通貨としての特性を欠く暗号資産である」と結論づけられたことに由来します。
2019年は日本が議長国となり、大阪で開催されます。日本がこれまで経験したことのない大規模な国際会議となります。
変更点2:暗号資産をコールドウォレットで保管すること
暗号資産取引業者については、保有する暗号資産をインターネットに接続していない《コールドウォレット》で保管することを義務化しました。
これは昨年1月にCoincheckで、コールドウォレットで保管していない大量の仮想通貨・ネムが流出した事件などを受けての措置です。
インターネットに接続している《ホットウォレット》で保管する仮想通貨は、流出した場合も顧客に補償できる資金の保持を義務づけています。
変更点3:投機を助長するような広告を禁止
これまでは取引業者による広告があまり規制されていませんでしたが、投機を助長するような広告を禁止するなど、規制が入ります。
これは、暗号資産だけではなく他の金融商品にも適用されています。
変更点4:顧客の本人確認の義務化
暗号資産の保管・管理業務を行う業者についても、顧客の本人確認を行うことを義務化するなど規制が入ります。
取引所で新規口座を開設するときは、身分証明書などの提出が必須となってくるということです。
少し面倒?と思う方もいるかもしれませんが、匿名性が高い暗号資産を扱うからこそ、私はその方が安心できる取引所だと感じます。
変更点5:取引業者からの届け出の義務化
マネーロンダリングに利用されやすい匿名性の高い暗号資産については、取引業者が取り扱いを開始する前に届け出を義務化し、問題がないかチェックします。
そして株式などと同じように、仮想通貨の価格の不正操作や風説の流布などの行為も規制されます。
変更点6:ICOのルールを明確化する
これまでほとんどルール化されていなかったICO(新規仮想通貨公開)についても、金融商品取引法の対象であることを明確化し、そのルールを適用します。
ICOとは企業が独自の仮想通貨を発行して資金調達を図る方法ですが、中には詐欺まがいのものも多いと言われています。
ICOが金商法の対象になると、株式のIPO(新規上場)時のように投資家への情報公開が義務づけられます。
まとめ
今回の法案では、上記6点以外にも多くの細かい点が改正されます。
これまで法整備が追い付いていなかった暗号資産の取引に対して、正しい法律が作られていけば暗号資産も「怪しい!」「詐欺だ!」などのイメージを払拭でき、株やFXと同じように、メジャーな投資先の1つになっていくのではないでしょうか💗